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お酒のあれこれ

22 ライン川の恵みから生まれるアルザスのワイン、魅力と特徴(2025.6.2)

フランス北東部に位置するアルザスは、個性豊かな白ワインの名産地。モザイクのように入り組んだ土地から、有名な辛口の白ワインが生まれます。

ドイツと国境を接しているアルザスは、通常イメージするフランスのワインとは異なった特徴があります。
アルザス独自の気候や土壌の特徴も含めて、アルザスワインの魅力を解説します。

アルザスワインとは

美しい響きを持つ「アルザス」。
アルザスはどのような風土の土地なのでしょうか。
アルザスワインの特徴とともに解説します。

アルザスとは

アルザスは、フランス北東部、ヴォージュ山脈とライン川に挟まれた地域。シャンパーニュと並んで、フランスのワイン生産地としてはかなり北端に位置しています。
内陸部であるため冬の寒さは厳しいものの、ヴォージュ山脈が障壁となり西風を防ぎ、フェーン現象が起きることもあるため、比較的乾燥した土地柄です。
半大陸性気候のアルザスは、夏はかなり気温が上がるため、ブドウの糖度も上昇し、しっかりとした味わいのワインが生産されています。

ドイツと国境を接しているアルザスは、歴史的に数々の辛酸をなめてきました。中世から近代にいたるまで、ドイツとフランスの間で揺れ動いてきたのです。
ヨーロッパの人びとの間でアルザスの美しい風景は有名で、この地のストラスブール大学に学んだ文学者ゲーテは、アルザスの景色を激賞しています。

ライン川を利用した交易が盛んだったアルザスは、早くから都市が発展、ワイン生産や綿工業でも栄えました。
自治の精神が強く、個性的なアルザスワインもこうした風土から生まれたといわれています。

アルザスの中心都市、ストラスブールやコルマールは、どこかドイツのメルヘン街道を思わせる雰囲気。アルザスならではのかわいらしい街並みは、観光客にも人気です。

アルザスワインの歴史

アルザスは、一般的にイメージされるフランスとは異なる風土や歴史を持っています。

紀元前1世紀ごろ、ローマ人によって「アルサティア」と呼ばれたことに端を発するアルザスの歴史は、ゲルマン民族や神聖ローマ帝国の影響を受けてきました。
近代になっても、ドイツ領になったりフランスに帰属したりと、歴史に翻弄されてきた地域といって過言ではありません。

ローマ人の入植から始まったアルザスワインの歴史を見ると、修道院の運営が功を奏して、10世紀ごろには160に及ぶ生産地点があったことが記録に残っています。
16世紀末には高級ワインとしての名声を獲得、当時のブドウ畑は現在の2倍もあったようです。

17世紀、欧州各国を巻き込んだ30年戦争により、アルザスのワイン生産も大きな被害を受けました。
19世紀に生産は復活したものの、20世紀に入ると2度にわたる大戦の打撃を受けます。 世界大戦後、1962年にアルザス原産地呼称統制が実施され、1975年にはアルザス・グランクリュが制定されました。

1980年代、アルザスのワインはブームを迎え、大量生産に方向転換しました。
質の低下が顕著になったことを反省し、近年は本来の製法に回帰、クレマン・ダルザスをはじめとする高品質な白ワインで名をはせています。

アルザスワインの3つの特徴

アルザスワインにはどんな特徴があるのでしょうか。3つの特徴を解説します。

①アルザスワインは約90%が白ワイン
もっとも有名な白ワインは、リースリングです。
そのほか、ミュスカ、ゲヴェルツトラミネール、ピノ・グリが、アルザスワインを代表する品種になっています。

②基本的に単一品種
アルザスワインは、基本的に単一品種で生産されます。
ライン川の向こうはドイツという地域にあるため、栽培品種はドイツとよく似ています。
ボトルの形も、フランスワインというよりもドイツワインを思わせるフルート型。

③フランスの製法を踏襲したワイン造り
甘口のイメージがあるドイツワインと異なり、アルザスのワインは辛口が特徴です。
造り方はあくまでフランス流を踏襲し、単一品種のブドウでシンプルに造り上げます。

またドイツ産のリースリングと比較すると、日照時間が長く降水量が少ないというアルザスの土地柄から、果実の凝縮感が強いといわれます。
フランスの洗練された製法によって、甘いだけのワインではなく、複雑さとエレガンスを備えているのがアルザスワインの人気の理由。

透明感のあるみずみずしさや、たっぷりのミネラル感を楽しめるのも、アルザスワインの特色です。

より深くアルザスワインを知ろう

フランスワインの中でも特異な魅力を持つアルザスワイン。
より深くアルザスワインを知って、そのおいしさを堪能しましょう!
アルザスワインを知るためのエピソードをご紹介します。

アルザスのAOC

フランス政府が生産地域や製法を保証する「AOC(原産地呼称統制)」。
アルザスには3つのAOCワインがあります。

①アルザス
リースリングを中心に、アルザスで生産されたワインです。

②アルザス・グランクリュ
51のリュー・デイ(小区画)で生産されたワインです。

③クレマン・ダルザス
シャンパーニュ方式で生産されるスパークリングワイン。フランス国内のスパークリングワインシェア1位を誇ります。
フランスでは、特別なイベントのときにはシャンパーニュ産のスパークリングワインを開けますが、普段は親しみやすいクレマン・ダルザスを愛好する人が多数です。

アルザスのグランクリュ

グランクリュに指定されている、アルザスの51の小区画。
グランクリュから生産されるワインは、全アルザスワインのわずか4%ほど。非常に希少性の高いことが分かります。

グランクリュのブドウは手摘みが必須な上、収量が抑えられています。
厳しい規定をクリアしたグランクリュのワイン、それぞれの区画の個性がくっきりと際立っていることでも有名です。

特に有名なクリュには、次のようなものがあります。

シュネンブルグ:
リースリングの聖地といわれ、長期熟成にも耐える芳醇な白ワインを生み出す。

ロルシュヴィール:
モザイクが入り組んだような多様な土壌から個性的なワインを生み出す。

ケフェルコフ:
ふくよかさとスパイシー感のあるワインを生み出す。黒コショウのようなシャープなスパイシー感ではなく、白コショウのような柔らかさがある。

代表的な4つのブドウ品種

アルザスワインの原料となる4つのブドウ品種。
それぞれには、異なる特徴があります。

リースリング:
ミネラル感満載。上品な酸味がある。

ゲヴェルツトラミネール:
フランスワインらしい華やかな香りを持つ。個性的な甘口ワインが多い。

ピノ・グリ
はちみつのようなふくよかな甘さと、ほどよい酸味が特徴。

ミュスカ:
ライトボディの辛口が多い。酸味も低めの飲みやすさがある。

アルザスワインの造り手は、家族経営の小規模レベルが多数あります。
生産者同士の結びつきも強固で、アルザスワインのスピリットを継承していく努力を怠りません。
こうした生産者たちのスタイルが、アルザスワインならでの味わいを生み出しているといえます。

アルザスワインのボトル・ラベル

アルザスワインは、ラベルが個性的。
フランスのワインは基本的に、原料となるブドウ品種が明記されていません。
例えばブルゴーニュの白ワインだったら、「シャルドネかな」と推察する知識が必要になります。

ところがアルザスワインは、ラベルに使われたブドウ品種が記されています。
それぞれのブドウの品種と特徴を知りたいワイン初心者にはありがたいですね。

アルザスのビオワイン

アルザスは、白ワインとともにビオワインの宝庫ともいわれています。
前述したようにアルザスは、乾燥した気候が特徴。カビや病気の被害が少なく、農薬なしのブドウ栽培が可能なのです。

有機栽培されたブドウは、天然酵母を使用して発酵。
熟成には長年使用した大樽を用いるなど、伝統的な製法にこだわる造り手もたくさんいます。

アルザスの気候と伝統に支えられたビオワイン、生き生きとした果実味と酸味が生まれ、より個性的な味になるといわれています。

遅摘みワインと貴腐ワイン

アルザスには、象徴的な甘口のワインが2つあります。

一つは遅摘みワイン。
「ヴァンダンジュ・タルディヴ(Vendanges Tardives)」の表記があるワインは、ぶどうの収穫時期を遅らせて造った、という意味。
つまり樹で完熟と乾燥をさせたブドウを使っているため、糖度が高いワインが出来上がります。

もう一つは貴腐ワイン。
「セレクシオン・ド・グラン・ノーブル(Sélections de Grains Nobles)」と記されているアルザスワインは、貴腐ブドウを原料に造られています。
貴腐ブドウとは、過熟状態のブドウに菌が発生してドライになった状態のブドウを指します。
とろんとした甘さを持つ高級な白ワインとして、アルザスの名産になっています。

アルザスワインをおいしく飲むには

独特の魅力を持つアルザスのワインは、どんな飲み方があるのでしょうか。
よりおいしく味わうためのアイデアをご紹介します。

前菜はミュスカで

白ブドウのみずみずしさが凝縮した辛口のミュスカは、前菜に最適。
生ハムメロンや白身魚のカルパッチョなど、ミュスカの軽快な味わいは前菜のメニューとよく合います。

アルザス名産の白アスパラとも素敵なペアリングになります。

魚介やエスニック料理と相性のよいリースリング

シャープなキレが魅力的なアルザスのリースリング。
魚介類との相性がよいことで有名です。

スズキやタイなどの白身魚のグリル、レモンやスダチをキュッとしぼるとリースリングと好相性に。
魚介の揚げ物も、リースリングの爽快感と素敵にペアリングできます。

また香草やスパイスのきいたエスニック料理も、アルザスのリースリングに合わせることが可能。
生春巻きやカレーなど、幅広いメニューで楽しめます。

チーズやトリュフと合うゲヴュルツトラミネール

アルザスのゲヴュルツトラミネールは、しっかりとしたアロマを持っています。
まろやかな甘みと厚みを感じるゲヴュルツトラミネールは、ウォッシュタイプのチーズや、青カビチーズなど、癖のあるタイプとペアリングで楽しめます。

高級食材トリュフの料理も、ゲヴュルツトラミネールでワンランク上のおいしさに。
土っぽさを含むトリュフの芳香が、ゲヴュルツトラミネールの風味によって包み込まれる感じです。
トリュフのリゾットや、トリュフ風味のドレッシングをかけた温野菜のサラダなど、おしゃれにペアリングを堪能できます。

白身の肉、リゾットと飲みたいピノ・グリ

はちみつやアプリコットのような優しい風味のピノ・グリ。
山の町にふさわしいチーズを使ったクリーミーな肉料理やリゾットがよく合います。

例えば鶏肉のフリカッセ。クリーミーなホワイトソースが、ピノ・グリとマッチします。
マスタード風味のまったりとしたチキンの煮込み料理もおすすめ。

ハーブ風味のチキンローストも、ぜひアルザス産ピノ・グリで楽しみたいメニュー。
ピノ・グリの果実味が生き生きと際立ちます。

リゾットも、クリーミーなタイプがベターです。
例えばポルチーニを使ったクリームリゾットや、甘みのあるカボチャや栗のリゾット、独特の風味を生かしたゴルゴンゾーラのリゾットも、ぜひトライしてみてください。

和食とも合うアルザスワイン

繊細さや土地の風土、素材感を大切にして造られるアルザスのワインは、和食ともペアリングできます。

例えば肉じゃが。
アルザスの郷土料理には、肉と野菜を使った洋風肉じゃがのような一品があり、リースリングと食べるのが人気です。
アルザスの代表的なワイン、リースリングは天ぷらや酢の物にもよく合い、日常的に楽しめる味わいです。

ふくよかな風味のアルザスワインは、味噌系の料理や照り焼き料理など、和食の定番と合わせやすく、子どもがいる家庭で登場頻度が高いカレーも、カジュアルにペアリングできます。

ライトボディのアルザス産ミュスカは、リースリングやピノ・グリに比べる気楽に楽しめるのも長所。
小腹が空いたときにおつまみを食べながら、淡白な和風料理を食べたいときなど、さまざまなシーンで飲めるワインです。

バーベキューや女子会に合わせて買い置きをしておくのもいいですね。

最後に

アルザスという美しい響きの土地から生まれるワイン。フランスワインの中でも、独自の魅力を放っています。
ドイツと国境を接するアルザスは、ライン川の恵みを活用したおいしい白ワインで有名。
大自然や天然酵母のパワーを最大限に活用した味わいは、さまざまな料理と合わせることができます。

日本での知名度はそれほど高くありませんが、お手頃なお値段が多いのも魅力的。
歴史と風土に育まれたアルザスワインの滋味を、ぜひ体感してみてください。

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