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渋み酸味はワインの魅力ですが、ワイン初心者にとってはなかなかなじみにくいもの。
そんな方におすすめするのが、甘口の白ワインです。
ブドウのフレッシュな甘さとフルーティーな香りが魅力の甘口白ワイン。
特徴とともに、選び方や楽しみ方を解説します。
口当たりのよさで人気の甘口白ワイン。甘さはどのようにして生まれるのでしょうか。
白ワインの甘さの理由を解説します。
白ワインが甘くなる理由
白ワインが甘くなる理由は、いくつかあります。それぞれの甘さについて説明します。
① 残糖による甘さ(未発酵の糖分)
ワインを生産する過程に、発酵があります。酵母によって、ブドウの糖分をアルコールに変換させる工程です。
発酵を早い段階で止めると、糖分がそのまま残ります。ブドウに由来するこの糖分が、白ワインの甘さとなるのです。
ゲヴュルツトラミネールやモスカートのワインの甘さは、この残糖によるものです。
② ブドウの種類による甘さ
白ワインの材料となるブドウの中には、品種そのものの性質が甘いタイプがあります。発酵後も、ブドウ本来の甘さがワインに反映されるというわけです。
比較的甘みのあるブドウ品種には、モスカート、リースリング、マルヴァジアなどがあります。
③ レイトハーベスト(遅摘み)のブドウの甘さ
ワインの原料となる白ブドウがレイトハーベスト(遅摘み)の場合も、甘くなる傾向があります。完熟のブドウを使うためです。
ただし、発酵の過程ですべてを発酵してしまうと、アルコール度が高まり、甘さを感じなくなることもあります。発酵を早めにとどめたレイトハーベストのワインが、甘口になるのです。
フランスのアルザスやドイツのアウスレーゼのワインが、その例です。
また、パッシート(収穫後の陰干し)をしたブドウを使ったワインも甘くなる傾向が。シチリアのパッシート・ディ・パンテッレリーアはその一例です。
④ 貴腐ブドウの甘さ
貴腐ワインをご存じの方も多いでしょう。貴腐ワインとは、不完全菌と呼ばれるボトリティス・シネレアの性質を活用したワインのこと。菌がブドウの水分を蒸発させ、糖分を凝縮させることで甘くなります。
フランスのソーテルヌや、ハンガリーのトカイは、この製法で甘くなっています。
なぜ赤ワインより白ワインのほうが甘口が多いのか?
赤ワインにも、ランブルスコのような甘口は存在します。しかし割合からいうと、甘口は白ワインのほうが多いのが実情。
ではなぜ、赤ワインより白ワインに甘口が多いのでしょうか。
まず、その理由は製法にあります。
赤ワインは皮や種子も果汁に漬けこんで醸造することで、タンニンや渋みを感じやすくなります。白ワインは皮や種子を使わないため、より甘い風味になるのです。
また、白ワインは赤ワインと比べて酸味が強いため、甘みとのバランスがとりやすいという理由もあります。逆に赤ワインの渋みは、甘さと相性がイマイチ。重厚感が欠けて、赤ワイン本来のおいしさが楽しめなくなってしまいます。
さらに、白ワインが持つアロマが甘さとマッチすることも挙げられます。
トロピカルフルーツやかんきつ類、バニラやさまざまな花のアロマは、甘さとピッタリ。白ワインの風味を引き立ててくれるのです。
糖度とアルコール度数の関係
ブドウに含まれる糖分は、発酵過程でアルコールへと変化します。
つまりアルコール度数が高くなるほど、甘みは軽減するシステムです。
一般的に、ヨーロッパでは糖度とアルコールの関係は以下のようになっています。
タイプ | 残糖量(1リットル中) | アルコール度数 | 例 |
---|---|---|---|
辛口 | 0~4g | 11~13% | ソーヴィニヨン・ブラン |
中辛口 | 4~12g | 10~12% | ピノ・グリ |
甘口 | 12~45g | 8~11% | リースリング・モスカート |
超甘口 | 45g以上 | 5~10% | パッシート・ディ・パンテッレリーア |
おいしい甘口白ワインを選ぶときは、どんな点に注目すべきでしょうか。
ポイントをまとめます。
ラベルに記される「甘口」とは?
甘口の白ワインを選ぶには、まずラベルに注目してみましょう。
・フランスのワイン
Doux / Moelleux(甘口・やや甘口)
Vendanges Tardives(遅摘み)
Sélection de Grains Nobles(貴腐ワイン)
・イタリアのワイン
Dolce(甘口)
Amabile(やや甘口)
Passito(陰干しブドウ使用)
Vendemmia Tardiva(遅摘み)
・ドイツのワイン
Auslese(完熟ブドウ使用)
Spätlese(遅摘み)
Kabinett(甘口)
Beerenauslese/Trockenbeerenauslese(貴腐ワインなど・超甘口)
・アメリカやオーストラリアのワイン
Sweet(甘口)
Semi-Sweet(やや甘口)
Late Harvest(遅摘み)
Dessert Wine(デザートワイン向き・かなり甘口)
甘口白ワインのアロマで選ぶ
白ワインはフルーティーなアロマが魅力的。甘さともよく似合います。
おいしい甘口白ワインを選ぶときは、どのようなアロマを持っているのかに注目してみましょう。
ブドウ品種別に一般的なアロマを解説します。
・モスカート
フレッシュなブドウ、桃、かんきつ類の花など
・リースリング
アプリコット、桃、ライム、はちみつなど
・マルヴァジア
桃、はちみつ、スパイス
・ゲヴュルツトラミネール
ライチ、バラ、甘いスパイス、はちみつ
・ジビッボ
干しブドウ、ドライアプリコット、はちみつ
・貴腐ブドウ
焼きリンゴ、ドライアプリコット、はちみつ、サフラン、バニラ
・パッシート
干しイチジク、カラメル、ハーブ、オレンジピール
清涼感のあるアロマから重厚な香りまで、お好みで試してみてください。
代表的な甘口白ワイン
よく知られた甘口の白ワイン、それぞれの特徴とともに解説します。
・モスカート
モスカート・ビアンコと呼ばれる品種を原料に造られる甘口の白。イタリアのピエモンテが銘醸地として有名ですが、南はシチリア、中部のトスカーナでも栽培されています。
モスカート・ビアンコは芳醇でありながら軽やか、ほどよい酸味とかすかなミネラル感があります。エレガントで飲みやすく、ワイン初心者にもおすすめの甘口白ワインです。
・リースリング
ドイツのライン川渓谷が原産地といわれるリースリング。辛口のシャルドネ、フレッシュなソーヴィニヨン・ブランと並び、白ワインの三大品種の一つです。リースリングは晩熟で寒さに強く、収穫時期や生産方法によって甘口から辛口までさまざまなタイプがあります。
遅摘みのブドウを使った甘口タイプは、みずみずしい果実味とシャープな酸味のバランスが抜群。
・ゲヴュルツトラミネール
フローラルな香りが魅力的なゲヴュルツトラミネールは、ドイツやフランスのアルザスを中心に栽培されている品種です。名前には「スパイシーなブドウ」という意味がありますが、エキゾチックなアロマが感じられます。
リースリングよりも高い糖度を持つため、遅摘みタイプのブドウを使うと甘口に。濃厚な甘口白ワインが好みの方はぜひ。
・マルヴァジア
古代ギリシア時代から栽培されてきたといわれるマルヴァジア。甘口白ワインになるマルヴァジア・ビアンカは、はちみつやアーモンドの香りをまとった豊かなアロマと、長い余韻が特徴。火山性の土壌や穏やかな気候の南イタリアで多く生産されていて、ミネラル感も感じられるタイプです。
スパークリングワインの白はおいしい甘口が多数
甘口の白ワインは、スパークリングタイプもおすすめ。おめでたい席での乾杯にもってこいです。
ワインに苦手意識のある人も、ワインの世界への第一歩としてトライしてみてください。
・モスカート・ダスティ
モスカート・ビアンコ種を使って造られる微発砲の白ワイン。アルコール度数が5%以下と低く、はっきり甘口と分かるスパークリングワインです。
甘くても甘ったるい感覚はなく、ライムやオレンジなどのかんきつ系のアロマがよいアクセントに。ほどよい甘さとコクのバランスは、銘醸地ピエモンテの実力ならではです。
・アスティ・スプマンテ
モスカート・ダスティよりも高いアルコール度を持つアスティ・スプマンテ。長く続く黄金色は、ハレの席によく用いられます。
レモンやオレンジ、ベルガモット、セージなど、豊かなアロマと甘さが融合し、唯一無二のおいしさ。繊細な味わいながらゴージャスなシーンに合うスパークリングワインです。
・クレレット・ド・ディー
フランスのローヌ渓谷南部で生産されるクレレット・ド・ディー。クレレットとモスカートを原料に造られるスパークリングワインで、きめ細やかな泡で人気です。
五感を刺激する自然な甘さに、フランスワインの品格を感じます。甘い思い出を喚起する味わいです。
甘口の白ワインをおいしく飲むためには、どのような点に注意すべきでしょうか。
合わせる食材やシーンも含めて、甘口白ワインの楽しみ方の例を紹介します。
きりりと冷やして飲む
甘口の白ワインは、きりりと冷やして飲むのがベター。
理想的な温度は、こちらです。
ワインの種類 | 適温 |
---|---|
モスカート・ダスティをはじめとする甘口スパークリングワイン | 6~8℃ |
リースリング、レイトハーベストなどの甘口白ワイン | 8~10℃ |
ソーテルヌやパッシートなど超甘口白ワイン | 10~12℃ |
口当たりがよい甘口白ワイン。ワインの魅力を知るための第一歩にふさわしいワインです。
渋みや酸味が少なく、アルコール度数が低いタイプが多いため、飲みやすさがなによりの魅力。ワインに対する苦手意識から脱却できます。
ブドウというフルーツの魅力が凝縮した甘口の白ワイン。ぜひ、さまざまなシーンで楽しんでみてください。
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