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お酒のあれこれ

26 「島ワイン」とは?小さな島の偉大なワインたち!(2025.7.14)

「島ワイン」。物語とロマンを感じる響きがあります。
「島ワイン」とは、その名のとおり、さまざまな島で生産されるワインを指します。地理的な条件による伝統的製法や在来ブドウ品種が守られ、個性的なワインが生まれるといわれてきた島ワイン。
世界でも有名な島ワインについて、特徴と魅力を解説します。

海風と太陽に育まれる「島ワイン」

島ワインは、その名のとおり島で生産されるワインのことです。
島ワインには定義があるのでしょうか。
どこの島で造られるワインを指すのかも含めて、島ワインの概要を解説します。

「島ワイン」とは

「島ワイン」には、定義や法律はありません。
それぞれの島が、伝統的な製法や在来品種のブドウを使って造るワインを、一般的に「島ワイン」と呼びます。

実はこの島ワイン、地中海地方では古代から珍重されてきた歴史があります。
古代ローマ時代には、クレタ島やカプリ島で造られたワインが上流階級に愛されていたそうです。また中世には、クレタ島やモネンバシア島で造られるマルヴァジアワインが、高級の甘口ワインとしてもてはやされていました。

1970年ごろから、フランスではワインのテロワールについて語られるようになりました。それに伴い、地中海の島々で小規模生産されるワインが注目を集めるようになったのです。
2000年代に入ると、食とワインをテーマにしたツーリズムが増加。「島ワイン(アイランドワイン)」という言葉をよく目にするようになりました。
ワイン誌「デキャンター」などでもよく取り上げられ、個々の魅力を持つ島ワインが人気を博しています。

代表的な島ワイン

世界中のさまざまな島でワインが造られていますが、一般的には地中海地方の島のワインを指すことが多いです。地中海では古代からワイン造りをしてきただけに、島ワインにも歴史や伝統が根付いています。

代表的な島ワインは次のとおり。

・サントリーニ島(ギリシア)
・クレタ島(ギリシア)
・シチリア島(イタリア)
・サルデーニャ島(イタリア)
・コルシカ島(フランス)

島ワインの特徴

島ワインが人気を誇る理由は、なんといっても島ならではの特色を持っていること。 本土や外界からの影響を受けずに、独自に発展してきた味わいを持っています。

島ワインに多い特徴は次の5つ。

①ブドウの在来品種が多い
島であるために、ほかの品種と交配することなく残った在来種が数多くあります。

サントリーニ島のアシルティコ、クレタ島のリアティコ、シチリア島のネーロ・ダーヴォラ、サルデーニャ島のカンノナウなど、独特の魅力を持つ島ワインが多数あります。

②海の影響を受ける
四方を海に囲まれている島では、ブドウが海風の影響を受けて育ちます。島ワインの多くはミネラル感があるといわれますが、これも海からの風を受けているからという説があります。
また海からの風は害虫を予防する働きもあり、健全なブドウの成長を助けてくれるのです。

③日照時間が多い
遮るものが少ない島は、太陽の恩恵を存分に受けることができます。特に地中海性気候の島々は、日照時間が多く乾燥した空気が特徴。ブドウの糖分が増え、コクのあるワインへと仕上がります。

④火山性の土壌が多い
意外と知られていませんが、地中海には火山を有する島が多数あります。サントリーニ島やシチリア島には活火山があり、土壌はもちろん火山性。
火山性の土壌はワインにミネラル感を与えるほか、酸味を際立たせる効能も。島ワインのおいしさの理由の一つになっています。

⑤伝統的な製法や小規模経営が多い
何世紀にもわたってワイン造りをしてきた島では、伝統的な製法を守る小規模経営のワイナリーが数多くあります。

例えばシチリアの近くにあるパンテッレリーア島では、ジビッボという在来品種のブドウを天日干ししてからワインにする製法(Zibibbo ad alberello)があり、ユネスコの無形文化遺産に認定されています。

アンフォラと呼ばれる古代のかめを使ってワインを熟成させる製法があるシチリア島やクレタ島、ロバを使って段々に植えられたブドウの収穫をするイスキア島など、どこかノスタルジーを感じるワイン造りが行われています。

地中海が主役!世界的に有名な島ワイン

注目を浴びる島ワイン。
特に有名な島ワインを、それぞれの特徴とともにご紹介します。

サントリーニ島

サントリーニ島は、ギリシアのエーゲ海にある火山島です。独特のワインの産地として、筆頭に名前が挙がる島です。
古来、火山の大噴火で知られるサントリーニ島の土壌には溶岩や火山灰が含まれています。この要素が、ワインに強いミネラル感と保存性を与えるといわれています。

サントリーニ島の気候の特徴は、極端に少ない降水量。夜露から水分を吸収しながら、ブドウは糖分を蓄えて育ちます。またつねに強風にさらされるため、籠状(kouloura)にブドウを栽培する独特の方法が用いられています。

こうした状況から害虫や病気の害が少なく、有機農法を用いるワイナリーも多数。夜間に収穫したブドウを使う「ニクテリ」、天日干ししたブドウを使い酸味と塩味を含む「ヴィンサント」など、サントリーニ島ならではのワインは、世界中から注目されています。

サントリーニ島には、数々の在来品種があります。

・アシルティコ
サントリーニ島の王と呼ばれるブドウで、辛口の白ワインの原料となります。塩気のあるミネラル感が特徴で、熟成にも耐え得る白ワインです。
リースリングやシャブリと比較されますが、火山性土壌に育まれた力強さがアシルティコの魅力。きりっとした辛口は魚介や癖のあるチーズと相性がよく、和食ともおいしくいただけます。

・アイダニ
フローラルで柔らかな味わいの白ワイン。アシルティコとブレンドされて、まろやかさを演出します。

・マヴロトラガノ
長らく忘れ去られていた赤ワインですが、力強さとエレガンスで人気復活。スパイシーなアロマが魅力です。

シチリア島

風光明媚で歴史的産地が多いシチリア島は、ヨーロッパのバカンス先として人気の土地柄。食べ物もおいしく、ペアリングするワインも高品質なものがたくさんあります。
地中海最大の島であり、有名なエトナ火山があり、ギリシア神話とも深い関連があります。現在も噴火を続けており、その土壌を生かしたワイン造りが盛んです。

独特のミネラル感、フレッシュさに加え、地中海式気候による長い日照時間によって、フルーティーでスパイシーなワインが多いシチリア島。伝統と革新を融合させたワイナリーが多く、トスカーナなどイタリア本土から移住した醸造家による新しいスタイルの導入も進んでいます。

シチリア島の在来品種は次のとおり。

・ネーロ・ダーヴォラ
シチリア島でもっとも有名な品種。温かみのあるフルボディで、ブラックチェリーやスパイスのアロマが濃厚。土壌によって繊細にもパワフルにもなる変幻自在の品種です。

・フラッパート
地中海的な軽やかさが魅力の品種。フローラルなアロマと軽めのタンニンが特徴です。

・ペリコーネ
シチリアの土っぽさが感じられる素朴な味わい。ハーブや鉄分が感じられる赤ワインです。

・グリッロ
シチリアの白ワイン代表。濃厚な辛口で、しっかりとした骨格を持っています。

・カタラット
一般的にニュートラルな味わいですが、標高が高い地域のカタラットはエレガントなワインが多数。

・ジビッボ
モスカート・ディ・アレッサンドリアとも呼ばれる品種。パンテッレリーアでよく用いられ、有名なパッシートワインの原料にもなっています。

サルデーニャ島

サルデーニャ島は、シチリア島に次いで大きな地中海の島です。美しい海と山、そして高原が広がるシチリア島は、古代から独自の歴史を歩んできました。地中海に住む人々は陽気で開放的なイメージがありますが、サルデーニャ島の人々は内省的。その性質が、素朴な味わいのワインからも感じられます。

砂や花こう岩が多い土壌は、ブドウの栽培が難しい一面もありますが、サルデーニャ島の人々による粘り強い努力によって、濃厚で長期熟成可能なワインが生まれました。サルデーニャのワインは、華やかさよりも力強さや厳粛さを感じるタイプが多いのが特徴です。

サルデーニャ島の在来品種別の特徴です。

・カンノナウ
サルデーニャ島の赤ワインの主役。フルボディでしっかりとしたタンニンがありますが、まろやかさと柔らかさを持っています。サルデーニャ島のスピリットをもっともよく伝える品種といわれています。

・ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ
島の北部ガッルーラ地方を中心に栽培されている白ワイン。かんきつ類やアーモンドのアロマがあり、海風を感じるかすかな塩気も。

・ヌラグス
希少な白ワインの原料となる品種。軽やかでフレッシュな味わいがあり、魚介を使ったサルデーニャ島の郷土料理と相性抜群です。

コルシカ島

コルシカ島は、地中海にあるフランス領の島です。過去にはイスラム教徒や、ジェノヴァやピサなどの都市国家に占領された歴史があり、フランス領でありながら独特の文化を持っています。近代史ではナポレオンの生まれ故郷として有名です。

「海にそびえる山」と呼ばれるコルシカ島は、山が多い地形です。そのため山岳地帯で栽培されるブドウの性質も。花こう岩や片岩質の土壌と、海からの絶え間ない風を受けたブドウは高品質で、フランス国内外で高評価を得ています。
世の中のワインブームには背を向けて、地中海的な性質とフランスのエレガンスを兼ね備えたワインが、コルシカ島では生産され続けています。

コルシカ島の在来品種の特徴はこちらです。

・ニエルッキオ
サンジョヴェーゼに近い品種とされているニエルッキオは、コルシカの魂を伝える力強いワイン。島の北西部を中心に栽培されています。

スーパータスカンを思わせるパワーが特徴で、「男性的なワイン」とも評されます。島の大らかさを存分に味わえるのが魅力です。

・シャカレッロ
島の西海岸で栽培されるシャカレッロは、魅惑的で官能的な赤。「コルシカ島のピノノワール」と呼ばれていて、生き生きとしたアロマやエレガンスを楽しめます。

・ビアンク・ジェンティーレ
古代からコルシカ島に存在していたビアンク・ジェンティーレは、近年再注目されている品種です。島本来のワイン生産復興のシンボルとされており、芳醇でありながらドライな味わい。非常に個性的で、唯一無二のワインを生み出します。

地中海以外にもある!世界の島ワイン

「島ワイン」と聞くと、ワインの歴史がある地中海の島々が思い浮かびます。しかし、世界各地の島々で、おいしいワインが生産されていることにも注目です。
いくつかの例をご紹介します。

日本の島ワイン(奥尻・五島列島)

日本にも存在する島ワイン。
その一つが、北海道の奥尻島です。
北海道の本土に比べると気候が温暖で、水が豊富な環境にある奥尻島。知る人ぞ知るブドウの名産地なのです。
1999年から始まった奥尻島のワイン生産は、日本海からの海風を受けて育つメルローやシャルドネが主役。自然の豊かさと厳しさを感じることができます。

また、長崎県西部にある五島列島でも、島ワインが生産されています。
島の人たちの情熱、大地への敬意が込められた五島列島のワインは、サクラアワードなどでの受賞歴も多い銘酒です。

スペイン・カナリア諸島

大西洋上、モロッコ沖に浮かぶスペイン領のカナリア諸島。顕著な火山性の特性を持ったワインが多く、ルネサンス時代から富裕層に珍重されてきました。

海の交易路であったカナリア諸島では、イギリス人やオランダ人によってマルヴァジアワインがもてはやされたという伝統があります。マルヴァジアワインは、現在も香り高さで有名な白ワイン。

カナリア諸島でもっとも人気があるリスタン・ネグロの赤ワインは、ソフトなアクセントが魅力的。火山性土壌を十分に感じることができるワインです。

アメリカ・ハワイ島

日本人に大人気の観光地、ハワイ島でもワインが生産されています。島で唯一のボルケーノ・ワイナリーによって、ハワイらしいトロピカルなアロマの島ワインが造られています。

高い標高で栽培されるカユガやピノノワールは、ミネラルとスモーキーな食感が特徴。グアバを使ったフルーツワインもあり、カジュアルに楽しめる島ワインです。

ニュージーランド・ワイヘキ島

世界中のワイン通から脚光を浴びているニュージーランドにも、ワイヘキ島産の島ワインが存在します。穏やかな海洋性気候と水はけのよい土壌が、シラーやカベルネ・ソーヴィニヨンを育ててくれるのです。

細部にまでこだわる職人芸によるワイン造りが盛んなワイヘキ島では、高品質の銘柄が多いのが特徴。テロワールの個性が光る島ワインは、トライする価値ありです。

最後に

海風や灼熱の太陽を感じる「島ワイン」。地中海を中心に、世界各地の島で独自のワインが生産されています。
それぞれの島に伝わる製法や在来品種のブドウを使った島ワインは、強い個性が特色。そのオリジナリティが脚光を浴びています。

島の自然や伝統を感じることができる島ワイン。ぜひ、自分のお気に入りを見つけてみてください。

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