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「酸化防止剤が入ったワインを飲むと翌日頭痛がするんだよね」という話を聞くことがあります。また、スーパーで売っている「無添加ワインは健康にいい」という話を聞くこともあります。そして、最近流行の「自然派ワインは健康にいい」という宣伝なんかも聞きます。
最新のデータでは、ワインボトルに記載されている「亜硫酸塩含有」「酸化防止剤」と頭痛や体の不調は、関連が無いことが報告されています。
「ワイン不耐性」とは、ワインの中に含まれるある物質によって引き起こされる頭痛、吐き気、発疹、紅潮といった症状の事です。「二日酔い」も同じような症状を引き起こしますが、この原因はアルコールが肝臓の機能によって分解された際に生じるアセトアルデヒドの毒性によることが分かっています。
今回、マスターオブワインであるソフィー・パーカー・トムソンの研究によって、「ワイン不耐性」の原因が「生体アミン」であり、その中でもヒスタミンが主因であると特定されました。「ワイン不耐性」=頭痛や体の不調の原因が、「亜硫酸塩含有」「酸化防止剤」とは関係なかったということになりました。
生体アミンが生じるメカニズムは、ワイン中の微生物によって作られることが分かっています。この微生物は亜硫酸の殺菌効果に敏感に反応することが知られていて、亜硫酸塩をほとんど使わないでワインを造るという流行はこれら生体アミン生成微生物にとって完璧に「生体アミン」を生成する環境を創り出していると言えます。
もちろん「生体アミン」は、体内に入ると過剰な生体アミンを排除しようとする特定の酵素によって分解されるのですが、アルコールがこの酵素の働きを阻害するためアルコール飲料と共に摂取することで特に有害となります。ただし、人によって生体アミンを分解する酵素量に差があるため、個人差が生まれ、人口の7~8%の方が何らかの症状が出るといわれています。
パーカー・トムソンの調査では異なるワイン醸造技術が生体アミンの含有量に与える影響を100種のニュージーランド産ソーヴィニヨン・ブランを用いて検証しています。
その結果、亜硫酸を全く添加しないか、醸造の終盤にのみ添加した場合には、敏感な人には何らかの反応が出るとされるほどの高濃度で生体アミンが含まれることが分かりました。
有害な微生物を阻害するために有用な、自然界に存在する酸が気候変動によって低くなりがちであることに加え、亜硫酸塩を添加することを嫌う自然派ワインの流行によって、生体アミンの発生率は大幅に上がってと考えられます。
1つは、発酵前のブドウ果汁や発酵後や瓶詰後のワインの酸化を防ぐ役割があります。ワインの発酵中は、二酸化炭素が大量にワインに含まれるため酸化のリスクは減りますが、発酵の前後は酸化のリスクにさらされます。ワイナリーでは、ブドウ果汁の搾汁時にドライアイスの霧を噴霧したりして酸化のリスクを軽減し、出来るだけ亜硫酸を使わない様に対策をしています。
2つ目は、殺菌効果です。果汁やワインには細菌や微生物が増殖する栄養分が豊富で、亜硫酸の持つ殺菌効果が有効に働きます。
では、亜硫酸の毒性をみてみましょう。複数の研究で亜硫酸塩過敏症の割合は非常に低く、ぜんそく患者の3-10%程度であることが報告されています。このような人々は通常、毎日ステロイドを必要とするほど深刻な患者で、彼らに起こる亜硫酸塩に対する反応は、一般の人々に起こる不耐症由来の不調とは異なり、呼吸器系のものになります。
また、日本の食品衛生法第11条の厚生省告示第370号 食品、添加物等の規格基準によれば、酸化防止を目的とした亜硫酸塩の使用基準は0.35g/kg未満で、この数字は成人が長年、日常的にワインを摂取しても健康に害を及ぼさないという判断によるものです。
「酸化防止剤無添加」と書かれた国産ワインが、低価格で売られています。腐ったり、細菌は発生しないのでしょうか。
実は「熱処理」をしています。輸入果汁を発酵させて日本で造られる「酸化防止剤無添加ワイン」は、ワイナリーで瓶詰めされる直前に50-60度程度まで熱して殺菌しています。日本酒でいう「火入れ」を実施しているのです。ワインを60度まで熱しますので、本来の風味は失われます。
ただし、冷蔵管理の早飲みワインや衛生管理を徹底して冷蔵管理をしているワインで無添加のワインも存在します。しかし、有機やオーガニックワインには亜硫酸添加が認められていますので、ほとんどのワインには少量でも亜硫酸は添加されています。もともとワインの醸造過程で自然発生的に亜硫酸が生成されますので、本当の無添加ワインは存在しないことになります。
亜硫酸塩をワインに添加するということは決して科学の時代に登場した近代技術ではありません。2000年以上も前の記録によると、古代ローマ時代の人々がアンフォラというワインを入れる壷に、ワインを満たす前に硫黄のかたまりを燃やして亜硫酸をつくりだし、雑菌の繁殖を防いだのが亜硫酸塩の恩恵にあずかった始まりといわれています。その技術が数千年の過程を経て現在の形で完成しました。ワイン造りにおける亜硫酸の役割をきちんと知り、その上でできるだけ使用量を減らそうとする生産者の努力に敬意をもってワインライフを楽しみたいですね。
参考:①Vinicuest 18 Sep 2021「ワイン不耐症にようやく光が」
https://vinicuest.com/2021/09/18_sep_2021/
②ソフィー・パーカー・トムソンMW「「SO2の使用とワイン中の生体アミン量の関連」についての研究論文
https://www.jancisrobinson.com/articles/tolerance-v-intolerance
ナチュラルワイン(自然派ワイン)には、実は明確な定義はありません。造り手によって様々な考えがあり、統一できない状態です。オーガニックや有機栽培とも違う、もっと広義のものを意味しています。
「自然派ワイン」「ナチュラル・ワイン」について考えると次のような共通点が見られます。
無耕起栽培や無農薬、化学肥料を使用しない。醸造では、野生酵母に委ね、亜硫酸を使わず、補糖・補酸はしないなど、人的介入を極力減らす。こうしたワイン造りは大変困難を極め、高い技術力と衛生管理の徹底が必要です。とくに、湿度が高く、雨の多い日本ではなおさらです。
こうして生産者は、きれいな味わいのワインというより、その土地やその年の天候でしか造ることのできないワイン造りを大事にしています。これが「自然派」と呼ばれるワインとして認識されています。
wine&では、厳選したナチュラルワインを取り揃えています。
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