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ワインツーリズムという言葉をよく耳にするようになりました。
簡単にいえば、ワインをキーワードにした旅のことです。
近年は日本でも数多くのワイナリーが、「ワイン×旅」をテーマに活動を展開しています。
日本のワインのおいしさを知るためのワインツーリズムについて、詳しく解説します。
ワインツーリズムというコンセプトは、どのように生まれて、どのように広がっていったのでしょうか。
ワインツーリズムの普及の経緯を簡単に解説します。
新世界で誕生したワインツーリズム
「ワインツーリズム」という概念が生まれたのは、ワインの世界では「新世界(ニューワールド)」と呼ばれるアメリカ。アメリカのワインの銘醸地、ナパヴァレーがワインツーリズムの発祥地といわれています。
1960年代後半、カリフォルニアのナパヴァレーには高品質なワインを造るプレミアムワイナリーが次々とオープン。しかし当時のアメリカのワイン業界は、質よりも量を誇る大型サイズのワインが主流でした。ワインの質にこだわる愛好家たちは、ヨーロッパから輸入されたワインを愛好するというのが通常だったのです。
ナパヴァレーのワイン生産者たちは、なんとか自分たちが造る質の良いワインをアメリカ国内に普及したいと試行錯誤。そして誕生したのが、ワインツーリズムだったのです。
ワインツーリズムの発展
それまでのワインの直売所といえば、ワイナリー内に試飲スペースもなく、ただワインを売るだけの場所でした。そこでナパヴァレーのプレミアムワイナリーでは、客を迎え入れるための専任スタッフを置き、ワイン造りのコンセプトから醸造方法、ペアリングまで説明するようになります。
プレミアムワイナリーの訪問客は、ただワインを買ったり試飲をしたりするだけではなく、造り手とコミュケーションをしながら楽しめるようになったのです。
その結果、ナパヴァレーのワインの販売量は飛躍的に増加。ナパヴァレーへの訪問者も急増しました。地域内の主要道路にはワイナリーへの看板が立つようになり、やがてコンサートが開催されたり、醸造家と食事ができたり、幼児向けのスペースが設置されたりと、アミューズメントの場へと変化していきました。
楽しんで知識を得ることができ、さらにおいしいワインや食事ができるワインツーリズム。ナパヴァレー周辺では、典型的な週末の過ごし方のひとつとして普及していきました。レストランや宿泊施設も充実し、ワインを中心にした複合施設として発展を遂げました。
カリフォルニアから始まったワインツーリズムはやがて、オーストラリアやニュージーランド、チリ、南アフリなどにも広がっていきました。
新世界にも普及したワインツーリズム
ワイン生産の老舗ともいえる旧世界はどうだったのでしょうか。
フランスを中心とするヨーロッパのワイン業界は、アメリカのようにワインの質について説明する必要に迫られていませんでした。ワイナリーはあくまでワインを造る場所という固定観念からなかなか抜け出せない状態が続きます。
しかし、ワインツーリズムを知った新世界の観光客が、ヨーロッパのワイナリーにもやってくるようになります。同時期、新世界のワインの質がワイン通たちにも知られるようになり、旧世界と新世界のワインの競合が激しくなりました。
伝統あるワインを守るために、フランスのボルドーやシャンパーニュ、イタリアのトスカーナやスペインのリオハでも、ワインツーリズムのための環境整備が急速に進みました。
現在は、ヨーロッパの美しい風景を楽しめるワインツーリズムが、各地に存在しています。
日本のワインツーリズム
日本のワインツーリズムの現状はどうなっているでしょうか。山梨県や長野県を旅行した人ならば、運転中にワイナリーを見たという人も多いと思います。
ワインツーリズムという言葉はそれほど一般的ではありませんが、ワイナリー巡りは静かなブームになっています。
その理由はいくつかあります。
日本産のワインの品質が向上しワイン愛好家が関心を持つようになったこと、ワインを日常的に愛飲する人が増えて身近なものになったことなどが、ワインツーリズムがブームになっている理由です。
またコロナ禍を経て、大自然の中で楽しめるワインツーリズムは注目を浴びました。
ワイナリー側も訪問者を受け入れる環境が整い、それぞれの特色を打ち出しています。
ワインツーリズムは将来さらに注目される旅行になりそうな勢いです。
国税庁の報告によれば、現在、日本には400を超えるワイナリーがあります。
ワイナリーの数は、上位3県(山梨県・長野県・北海道)が全体の48%を占めています。
それぞれの県にあるワイナリーには、どんな特徴があるのでしょうか。
・山梨県
日本のワイン業界を先導する山梨県。ワイナリーの数も全国一。90を超えるワイナリーの中には、充実したアクティビティを展開するワインツーリズムがたくさんあります。
山形県は首都圏からのアクセスの良さも魅力的。
とくに有名なワイナリーをご紹介します。
① シャトー・メルシャン勝沼ワイナリー
メルシャンは日本初のワイナリー「大日本山梨葡萄酒会社」をルーツに持ち、日本のワインの歴史の黎明期から歴史を牽引してきたブランド。国産ワインの最大手として、多くの役割を果たしてきました。
現在シャトー・メルシャンは、「勝沼」「桔梗ヶ原」「椀子」の3つのワイナリーを展開。
基幹となる「勝沼」、日本のメルローの品質の高さを世界に知らしめた「桔梗ヶ原」、ワインツーリズムの分野で4年連続日本一に輝いた「椀子」と、それぞれの魅力で注目を集めています。
3つのワイナリーの中心となる勝沼ワイナリーは、醸造所やヴィンヤードのほか、ワイン資料館も完備。ワイナリーツアーではセラーやヴィンヤードが見学できるほか、テイスティングコーナーやフレンチのペアリングBOXなど、五感で楽しめるアクティビティを多数そろえています。
甲州をはじめとする日本産のブドウ100%のワインが買えるショップも充実。
ボルドー第2大学醸造学部との共同研究や、国内外のコンクールで数々のメダルを得たメルローの栽培など、日本のワインの発展に大きく寄与したメルシャンの真髄を、このワイナリーで実感してみましょう。
名称 | シャトー・メルシャン勝沼ワイナリー |
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住所 | 〒409-1313 山梨県甲州市勝沼町下岩崎1425-1 |
Map | https://maps.app.goo.gl/XQjz9sEBhWwA1wib6 |
HP | https://chateaumercian.com/winery/katsunuma/ |
特徴 | 日本ワインの先駆けとしての歴史が感じられる。セラー、ヴィンヤード、ワイン資料館の見学、テイスティングやペアリングが楽しめる。 |
名称 | サントリー登美の丘ワイナリー |
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住所 | 〒400-0103 山梨県甲斐市大垈(おおぬた)2786 |
Map | https://maps.app.goo.gl/oUieAs51S6SqQK5n8 |
HP | https://www.suntory.co.jp/factory/tominooka/ |
特徴 | 甲府盆地を見下ろす丘にあり、畑を自由に散策できる。ゆったりと休めるスペースもあり、100年の歴史と大自然を体感できる。 |
名称 | GRACE WINE(中央葡萄酒) |
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住所 | 〒409-1315 山梨県甲州市勝沼町等々力173 |
Map | https://maps.app.goo.gl/yfu4aMDTt2KdGGTK7 |
HP | https://www.grace-wine.com/ |
特徴 | 世界に認められる日本のワインの代表格。甲州種の品質向上に貢献してきたワイナリーで、静かな雰囲気の中で妥協のないワイン造りに触れることができる。 |
名称 | ルミエールワイナリー |
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住所 | 〒405-0052 山梨県笛吹市一宮町南野呂624 |
Map | https://maps.app.goo.gl/qSqKeC5m42ZGPV9Q9 |
HP | https://www.lumiere.jp/ |
特徴 | 有形文化財の地下発酵槽や、自然農法にこだわるブドウ畑の見学ができるほか、地元産の食材を使ったレストランがある。学生も見学できるため、家族で訪れることもできます。 |
名称 | ヴィラデスト・ガーデンファーム・ワイナリー |
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住所 | 〒389-0505 長野県東御市和6027 |
Map | https://maps.app.goo.gl/7pQCEQUcY6FgGP2V7 |
HP | https://www.villadest.com/ |
特徴 | 週末は製造過程が見学できるコースがあるほか、ガーデンを眺めながら地産地消のメニューを楽しめる。画家のオーナーの作品を鑑賞できるギャラリーがある。 |
名称 | マンズワイン小諸ワイナリー |
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住所 | 〒384-0043 長野県小諸市諸375 |
Map | https://maps.app.goo.gl/PgKb3GxfszSD4YpQ9 |
HP | https://mannswines.com/winery/komoro/ |
特徴 | プレミアムワイン「ソラリス」の故郷を見学しながら、広大な日本庭園や、小諸眺望百景に選ばれたけやき並木を楽しめる。ワイナリーツアーでは美しい地下セラーの見学も可。 |
名称 | サンクゼール・ワイナリー |
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住所 | 〒389-1201 長野県上水内郡飯綱町芋川1260 |
Map | https://maps.app.goo.gl/RWx9UkMfKb1Z1ULs7 |
HP | https://www.stcousair.co.jp/valley/wine/tour |
特徴 | 周辺の山々、垣根仕立てのブドウ畑などフォトジェニックなポイントが多い。レストランやイベントが充実しているため家族連れで楽しめる。 |
名称 | 十勝ワイン(池田町ブドウ・ブドウ酒研究所) |
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住所 | 〒083-0002 北海道中川郡池田町清見83 |
Map | https://maps.app.goo.gl/AE5ZkwatEkZy7PsD8 |
HP | https://www.tokachi-wine.com/ |
特徴 | 十勝平野に佇むワイン城や、地元食材を使ったレストランがある。寒冷地に強い品種から生まれるワインと地元食のペアリングが人気。見学コースも充実しています。 |
名称 | オチガビ・ワイナリー |
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住所 | 〒046-0012 北海道余市郡余市町山田町635 |
Map | https://maps.app.goo.gl/pZdRV9cZ1zTk8Bhg8 |
HP | https://www.occigabi.net/ |
特徴 | 醸造所、ガーデン、風景、美食が楽しめるワイナリー。明確なモットーでワイン造りを進める創業者との対話が楽しめることもある。 |
名称 | 高畠ワイナリー |
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住所 | 〒999-2176 山形県東置賜郡高畠町糠野目2700-1 |
Map | https://maps.app.goo.gl/fZxBQS3NBMrwSYQMA |
HP | https://www.takahata-winery.jp/ |
特徴 | 自社畑、ワイナリーの見学ができ、テイスティングルームも完備。醸造責任者やスタッフによる講座もある。テイスティングとともに軽食が食べられるゴッツォナーレ高畠が併設されている。 |
名称 | タケダワイナリー |
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住所 | 〒999-3162 山形県上山市四ツ谷2-6-1 |
Map | https://maps.app.goo.gl/F8GJge7qHVcAHLTf7 |
HP | https://takeda-wine.co.jp/ |
特徴 | ワイナリー見学(要予約)と試飲が楽しめる。ブルゴーニュで上級醸造学を学んだオーナーによる夜の勉強会など、知的なイベントが多い。 |
現在日本には400を超えるワイナリーがあります。特別なワインツーリズムが楽しめるワイナリーをご紹介します。
・ワイン畑を馬でお散歩「中伊豆ワイナリー・ヒルズ」
修善寺温泉から車で15分ほどのところにある中伊豆ワイナリー・ヒルズ。ブドウ畑と白亜の洋館がシンボルです。駿河湾の海の幸を味わえるレストランやバーベキューハウスなど、家族でワインツーリズムが楽しめます。
結婚式もできる美しい情景の中を乗馬で散策できるのが同ワイナリーのウリ。雄大なブドウ畑を、馬の背で堪能できます。
名称 | 中伊豆ワイナリー・ヒルズ |
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住所 | 〒410-2501 静岡県伊豆市下白岩1433-27 |
Map | https://maps.app.goo.gl/AYRVzvQjviLKqHLz8 |
HP | https://nakaizuwinery.com/ |
特徴 | いにしえのシャトーを思わせる洗練された佇まい。レストランの選択肢があり、宿泊施設も完備。10ヘクタールのブドウ畑を乗馬で散策できます。 |
名称 | NIKI Hills ヴィレッジ |
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住所 | 〒048-2401 北海道余市郡仁木町旭台148-1 |
Map | https://maps.app.goo.gl/1VtgdZ5UeX8J9zMe8 |
HP | https://nikihills.co.jp/ |
特徴 | 北海道余市の自然と融合したワイナリー。食とワインの贅沢なペアリングや自然を満喫できるホテルが魅力的。コーヒー付きネイチャートレッキングが大人気です。 |
名称 | 大池ワイナリー |
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住所 | 〒390-1301 長野県東筑摩郡山形村日向2551-1 |
Map | https://maps.app.goo.gl/9Q5REW2tVvPojnvu9 |
HP | https://www.taikewine.jp/ |
特徴 | 長野県の里山地区にありワインテイスティング付きのワイナリー見学ができる。ワイン造りに参加できたり、ワイナリーでワイン入門講座を受講できたりするなど刺激的なイベントが多数あります。 |
日本のワインは、世界中で開催されるコンクールで勝者となることも多い実力派。欧米のワインにひけをとらない質を誇り、世界から注目される存在です。
・欧米の定番ワインとは異なるおいしさ
欧米で日本産のワインの評価が高まっている理由のひとつに、日本の固有種によるワインのおいしさが挙げられます。
日本のワイン生産者たちが数世代をかけて改良を重ねた甲州は代表格。日本の風土が生み出したフレッシュな風味は、世界の人を魅了し始めています。
また軽やかな赤ワインを生み出すマスカットベーリーAも、ユニークな味わいで注目されています。
・技術と職人技を活かしたワイン造り
日本人の国民性ともいってよい勤勉さは、ワイン造りにおける技術を育ててきました。妥協を許さない職人技も、ワイン文化の発展に大きく寄与しています。
こうして生まれる日本ワインは、独特のエレガンスと繊細を兼ね備えています。日本人の真摯な精神性が感じられるワインは、世界でも唯一無二の存在なのです。
・世界中で大ブームとなっている和食との相性が抜群
和食はもはや、一過性のブームではなく世界中で愛される食文化となりました。日本を訪れる外国人観光客によって、和食本来のおいしさが世界中に喧伝されています。
和食と抜群の相性の良さを誇る日本産のワインの需要が高まっているのは、ごく当たり前の現象といえるでしょう。
・国際コンクールでの受賞歴が多数
評価が高いワインといえば、フランスやカリフォルニア産というイメージがあります。しかし日本のワインは、イギリスで開催されるワインコンクール「デキャンタ・ワールド・ワイン・アワード」をはじめ、数々の国際コンクールで入賞歴を誇ります。
コンクールの結果をきっかけに、日本のワインは存在感を高めているのです。
世界から注目される日本のワイン。各地の風土を活かしたおすすめのワインをご紹介します。
・【マンズワイン】ソラリス 千曲川 メルロー
名実ともにマンズワインのトップレンジといわれる「ソラリス 千曲川 メルロー」。千曲川バレーのメルローは現在、世界的な高い評価を得るレベルに達していますが、同ワインが獲得したメダルや賞の数はすでに10を優に超えました。
スモーキーなニュアンス、中盤から感じられる厚み、静かな余韻など、フランスの銘酒と肩を並べる奥の深さを誇ります。メルローの成熟に欠かせない太陽の恩恵を受けた1本、まさに「ソラリス(「太陽の」の意)」の名を体現しています。
日本のワインの歴史を感じる重厚感が、シンプルなボトルからも伝わってきます。
【マンズワイン】ソラリス 千曲川 メルロー
・【宝水ワイナリー】雪の系譜 バッカス
雪の結晶がシンボルマークの宝水ワイナリー。
2004年に設立された若いワイナリーながら、ブレークを予感するワイン通が多かったほど高品質のワインを造り続けてきました。
「雪の系譜 バッカス」は、ワイナリーの敷地のなかでもミネラル成分が豊富な土壌から収穫されたブドウが原材料。繊細なミネラル感、甘いリンゴや梨の風味はとても優しく、北の大地の豊かさを感じさせてくれます。
スタイリッシュなラベルも魅力的で、贈り物にしても喜ばれます。
【宝水ワイナリー】雪の系譜 バッカス
・【勝沼醸造】甲州テロワール・セレクション 祝
地元では「勝醸」の相性で親しまれている勝沼醸造。毎年4,000トンにおよぶ甲州種を強い混む勝沼醸造は、ヨーロッパへの輸出も多いことで有名。祖先は武田勝頼の重臣であっただけあり、品格あるワインの製造元としても知られています。
火山性土壌が特徴の祝地区で栽培されたブドウを使った「甲州テロワール・セレクション 祝」は、シュール・リー製法によるまろやかさが特徴。華やかなアロマはお祝い事にふさわしく、欧州で認められた深い味わいは多くのファンを魅了しています。
ラベルに記された躍動的な「祝」の文字は、ハレの日にピッタリです。
【勝沼醸造】甲州テロワール・セレクション 祝
ワインを味わうだけではなく、ワインを文化的に娯楽的に楽しめるワインツーリズム。
アメリカで生まれたワインツーリズムは現在、世界中のワイナリーで展開され、ワインファンを喜ばせています。
世界から高く評価されるようになった日本のワインも、ワインツーリズムによってより深く知ることができます。
世界の銘酒に比肩する日本ワインの実力と魅力、ぜひワインツーリズムの旅から実感してみてください。
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