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日本
すっきり辛口
白ワイン 2020年 750ml
プティ・マンサンはフランス南西部、ピレネー山脈の麓で栽培されてきた品種。
小粒で房も小さく、生き生きとした酸味を持つのが特徴で、日本の風土に合った品種として注目されています。21世紀のはじめ、こころみ学園の葡萄畑に植樹されて以降、2011年から毎年ワインが造られています。「2020プティ・マンサン」はやや辛口の溌剌とした白ワインです。
【畑】
栃木県足利市田島 こころみ学園
★採用実績★
2015 JR東日本TRAIN SUITE四季島
【Tasting Note】
りんご、かりん、パイナップルに加え、発酵バター、クリーム、蜂蜜やドライアプリコットの香り、口に含むと質の良い豊富な酸味としっかり凝縮した風味が高いレベルで調和している、火打石など硬質な印象や旨味もあり長い余韻が続いていく。
【相性のよい料理】
寒平目と柑橘のカルパッチョ、蕪のたき合わせ、白子のすり流し、葉山椒の佃煮、ホンモロコ揚げ、海老芋のおかきあげ、サザエのリゾット、甘鯛のクルスティアン、酢豚、トムヤムクン、ミモレット・ジュンヌ、クレープシュゼット、マロンクリームのミルフィーユ。
日本 栃木県
プティ・マンサン 100%
生産者:COCO FARM&WINERY(ココ・ファーム・ワイナリー)
容器の種類:瓶
アルコール度数(%):11.7
テイストの特徴:香り高くフルーティなタイプ
1950年代、少年たちによって開かれた山の葡萄畑は、開墾以来、除草剤が撒かれたことがありません。
1980年に誕生したこの山の麓のココ・ファーム・ワイナリーは、1984年からワインづくりをスタート。
2007年より100%日本の葡萄からワインをつくり、現在、ココ・ファーム・ワイナリーの自家製ワインはすべて「日本ワイン」です。
自家畑では化学肥料や除草剤は一切使わず、醸造場での醗酵も天然の野生酵母や野生乳酸菌が中心。“こんなワインになりたい”という葡萄の声に耳を澄ませ、その持ち味を生かすことを大切にしています。
●1950年代、急斜面の山を開墾
1950年代、当時の特殊学級の中学生たちとその担任教師(川田昇氏 かわたのぼる:1920年12月18日-2010年12月17日)によって開墾されたこころみ学園の葡萄畑。足利の北の山にあるこの葡萄畑は平均斜度38度の急斜面です。
この場所に開墾したのは、一介の教師には、平らな土地に農地を得ることができず、山奥の急斜面を開墾するしかなかったからでした。
しかし、このこころみ学園の葡萄畑は、南西向きの急斜面であるため陽あたりがよく、水はけがよく、葡萄にとってなかなか良い条件です。また、この急斜面は葡萄の生育によいだけでなく、障害を持ってかわいそうと過保護にされ、あてにされることもなかった子どもたちにとっても、大切な役割を果たしてきました。
葡萄畑の南側から草を刈りだして、葡萄畑の北側が刈り終わる頃には、また南側の草が茂ってきます。また南側から草を刈りだして、葡萄畑の北側が刈り終わる頃には、またまた南側の草が茂ってくる・・・。
除草剤を撒いてしまうと、子どもたちのやることがなくなってしまいますから、この葡萄畑は開墾以来、除草剤を一切撒いたことがありません。除草剤を一切撒かない葡萄畑にはいろいろな草花がしげり、たくさんの虫が寄ってきます。その草花や虫たちを求めてたくさんの鳥たちもやってくる葡萄畑。秋になると葡萄の実を狙う鳥を追い払うために、朝から晩までカンをたたくという仕事が必要になります。 こうして365日やってもやってもやり尽くせない仕事を用意することができたのです。
<困難を魅力にかえた葡萄畑、3つの特長>
1.貧しくて平らな農地が手に入らず、やむなく開墾した山の急斜面は、陽あたりや水はけがよく葡萄にとってなかなかよい条件であったこと。
2.山の急斜面で、炎天下に草を刈り、寒風のなか、剪定後の枝を拾う農作業は、暑い我慢、寒い我慢を通して少年たちの耐久力を鍛え、急斜面での移動は屋内や平所では養えない臨機応変の注意力をよびおこすこと。
3.急斜面なので大型車両や重機が入らないため土がやわらかく、除草剤を一切撒いたことのない健康な土は、微生物をはじめ、草花や、虫や鳥や、動物や人間など、さまざまな命をはぐくんでいること。
●自家畑 栽培データ
【エリア】
こころみ学園の葡萄畑をはじめとする、5つの自家畑は、栃木県南部の足利市と佐野市に位置しています。北緯 36°21~22′ 東経 139°28~31′ 海抜 50~200m。自家畑の総面積は約6ヘクタールです。
【栽培品種】
自家畑では、マスカット・ベーリーA、リースリング・リオン、小公子などの日本固有の葡萄品種や、プティ・マンサン、ノートン、タナ、ヴィニョール、カベルネ・ソーヴィニョンなど、世界的な葡萄品種を栽培しています。いずれも北関東の気候風土にあった適地適品種のワイン用葡萄品種です。
【適地適品種のワインづくり】
ココ・ファーム・ワイナリーでは、野生酵母(天然の自生酵母)を中心に醗酵を行っています。マロラクティック醗酵(MLF)も野生乳酸菌によって自然に行われることがよくあります。野生酵母を使うのは、葡萄本来の自然の持ち味を引き出して、上質なワインをつくるためです。目に見えない微生物の力や、元気な土壌から生まれる元気な葡萄の潜在力を大切に生かされています。
ワインを葡萄畑からつくるために、ココ・ファーム・ワイナリーでは、適地適品種の考え方を取り入れています。各々の土地や土壌や気候風土のなかで無理なく元気に育つこと。そんな葡萄品種を選ぶことよって、病気にかかりにくかったり、虫の害があっても自分の力で回復することができやすくなります。回復力があれば、余計な消毒もしなくてすみます。
ココ・ファーム・ワイナリーの足利や佐野の自家畑では、2000年を機に、気候変動に対応した葡萄品種を少しずつ植樹してきました。日本の風土の中で栽培されてきたマスカット・ベイリーA、リースリング・リオン、小公子・・・、世界各地から探してきた、ノートン、タナ、プティ・マンサンなどです。いずれも高温多湿によく耐え、決して有名な葡萄品種ではないけれど、実に魅力的な品種です。
この個性的な葡萄品種から生まれるワインは、スパークリングワイン「NOVOブリュット」「NOVOドゥミセック」、赤ワイン「第一楽章」「第二楽章」「こころみノートン」「赤見のぼっこ」、白ワイン「プティ・マンサン」「田島川右岸」、デザートワイン「マタヤローネ」など。スパークリングワインからデザートワインまで、100%自家畑の葡萄からいわゆるドメイヌもの(自家畑自家醸造)のワインです。
一方、北海道、山形、長野、山梨、埼玉、そして栃木など日本各地の契約栽培農家さんたちとタッグを組んで、それぞれの土地に適したお得意の葡萄をつくっていただいているものを使用し、ワインを造っています。
ワインづくりは、醸造場だけの仕事ではありません。葡萄畑に、太陽や土壌や雨風などの気候風土、野生酵母や野生乳酸菌などの微生物、草花や虫や鳥や人間という生物が共生する、いのちがわきたつような仕事です。科学のバックボーンを持ちながら、祈ることや、歌うことに近いなかなか愉快なところもあります。熟成のための長い時間も、人間の手の及ばぬところです。
ココ・ファーム・ワイナリーは、これからも自然に敬意をもって寄り添い、広く深く学んでいきたいと語っています。
葡萄が元気にその魅力を最大限に発揮できるよう、「葡萄がなりたいワインになれるよう」、葡萄の声に耳を澄ませ、ワイン造りをしています。
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